チャットレディの経費はどこまで?衣装・家賃・機材の線引き

年末、レシートと領収書をテーブルに広げて、これは経費になるのか、ならないのか、一枚ずつ悩んでいる。そういう夜を私も何度も過ごしてきた。ネイルサロンの領収書を手に「これ仕事のためって言えるのかな」としばらく固まっていたこともある。
答えを先に言うと、経費になるかどうかの線引きは「これがないと配信の仕事が成り立たなかったか」を自分の言葉で説明できるかどうか、それだけです。国税庁がチャットレディ専用の経費リストを出しているわけじゃないので、最終的には「業務の遂行上必要だった」と胸を張って言えるかがすべてになります。
確定申告そのものの基準や、いくらから申告が必要かについてはチャットレディの確定申告はいくらから?基準と注意点を解説にまとめてあるので、まだそっちを読んでない人は先にそっちを見てもらったほうがいいかもしれません。この記事は「経費に何を入れていいか」だけに絞って書きます。
経費になるもの、正直に言うとグレーなもの
ほぼ確実に経費として認められやすいものから話します。
配信用のパソコンやウェブカメラ、マイク、照明機材。これは仕事道具そのものなので説明がしやすい。ネット回線費用も、配信のために契約したものであれば経費になります。ただしプライベートでも使っている自宅のWi-Fiだと、100%仕事用とは言いにくいので、あとで話す「按分」の考え方が必要になってきます。
衣装やランジェリー、これも経費にする人が多いです。ただし、私服としても普段着られるようなワンピースやカーディガンは「配信専用でした」と説明しづらい。逆に、配信でしか着ないようなコスプレ衣装やランジェリーは経費として通りやすい印象があります。ここ、意外と知られてないんですけど、税務署は「その服を仕事以外で着る可能性があるかどうか」を結構見てくるらしいんですよね。
メイク用品やヘアセット代は、配信の見た目のために必要という理屈は立ちます。ただし普段使いの化粧品と兼用している場合、全額を経費にするのは正直おすすめしにくい。半分くらいを目安に按分している人が多い印象です。
背景布や部屋のインテリア、これも配信の見栄えのために買ったものなら経費になります。私は配信部屋用にカーテンとライトを買い替えましたが、これは全額経費にしました。理由をちゃんと説明できるものだったので。
一方で、美容整形や脱毛、エステは経費として認められにくいというのが業界のもっぱらの見方です。「配信で見た目が良くなれば稼げる」という理屈は成り立つように見えるけれど、税務署からすると「それは個人の美容目的でもあるよね」と判断されやすい。ここは私も最初、光脱毛代を経費にしようとして知り合いの税理士に「それは厳しいと思う」と言われたことがあります。
家賃と光熱費、按分の考え方
在宅で配信している人が一番悩むのがここだと思います。家賃、電気代、水道代を全額経費にはできません。でも、部屋の一部を配信専用スペースとして使っているなら、その割合分だけ経費にできる。これを「家事按分」と呼びます。
考え方はシンプルで、自宅の総床面積のうち、配信に使っている部屋の床面積が何割かを出す。たとえば1Kの部屋全体が25平米で、そのうち配信に使っているスペースが5平米だとしたら、5分の1、つまり20%を経費にする、という計算です。
私の場合は、ワンルームの一角を配信スペースにしていたので、面積按分で15%くらいを家賃の経費にしています。電気代も同じ考え方で、配信している時間の割合や使っている家電の消費電力を目安に按分することが多いです。ここは正直、厳密にやろうとすると際限がなくて、ある程度「自分なりの合理的な説明ができる割合」で決めている人がほとんどだと思います。
按分の割合を決めたら、それをずっと同じ基準で使い続けたほうがいいです。去年は20%、今年は急に50%、みたいに理由なく変えると、説明がつきにくくなります。
機材やスマホ代金、通信費のもう少し細かい話
スマホ一台で配信を始める人も多いですが、その場合の通信費も按分の対象になります。プライベートでもガンガン使っているスマホなら、通話・SNS利用も含めた全体の中で「配信に使っている割合」を出す必要がある。厳密にやるなら通信量のログを見て割合を出すのが理想ですが、そこまでやっている人はあまり多くない印象です。だいたい体感で3割〜5割くらいを目安にしている人が多いですね。
必要な機材についてはチャットレディはスマホだけで始められる?必要な機材まとめにも書きましたが、ウェブカメラやリングライトを追加で揃えた人は、その購入代金も経費にできます。一般的には10万円くらいを超える機材は一括で経費にできず、減価償却という形で数年に分けて計上する必要が出てくると言われているので、そこだけ注意してください。金額が大きい買い物をする前に一度、税理士や会計ソフトの相談窓口で確認しておくと安心です。
経費を考えるようになったら、働き方そのものも見直すタイミング
経費をどこまで計上できるか気にし始めるということは、それだけ収入が安定してきた証拠でもあります。私の周りでも、月に数万円だった頃はレシートを気にする余裕もなかったのに、月10万円を超えてくると急に「これって経費になるのかな」と真剣に考え始める子が多いです。
このタイミングで、そもそも今の事務所の報酬体系が自分に合っているのか、一度見直してみるのもいいと思います。事務所によって報酬の歩合や振込のタイミングが結構違っていて、経費以前に「稼ぎやすさ」自体が変わってくることもあるので。
安全な事務所選びについてはチャットレディの安全な事務所の見分け方|危険な業者の特徴7つにも書いていますが、業界で働く知人に聞いた話だと、キャストが「入る前に知りたかった」と後悔するのは「聞いていた時給と違った」「求人情報と実際が違った」「辞めたいのに辞めさせてくれない」の三つが目立って多いそうです。これ、小さい個人経営の事務所で起きがちで、広告を長く出し続けられている大手や老舗の方が体制がしっかりしている傾向があるとのことでした。経費の管理をきちんとやるくらい仕事に真剣なら、事務所選びも同じくらい慎重にやったほうがいい。
領収書はとりあえず全部取っておく
経費にするかどうかの判断は後からでもできますが、領収書やレシートがないと後から経費にすることはできません。だから私は「これは経費になるかわからないけど、とりあえず取っておく」というスタンスで、財布に入れたレシートを月末にスマホで撮影して保存するようにしています。会計ソフトのアプリに撮影機能がついているものも多く、これは正直かなり楽です。
迷った領収書は、日付の隣に「何のために使ったか」を一言メモしておくだけで、確定申告の時期にすごく助かります。半年後の自分は、そのレシートが何だったかほぼ覚えていません。これは経験から言えることです。
経費の判断に迷ったときは、無理に自分だけで白黒つけようとせず、確定申告の時期だけ税理士に相談するという手もあります。数万円の相談料で、按分の割合や微妙なラインのものについて具体的なアドバイスがもらえることが多く、結果的に安心して申告できるようになる人も多いです。
レシートを一枚ずつ悩みながら仕分けるその時間自体が、実は自分の働き方を振り返るいい機会だったりします。今日は溜まった領収書を一度、日付順に並べてみるところから始めてみるといいかもしれません。