チャットレディも国民年金の免除申請はできる?所得基準を解説

夜中に納付書を眺めて、ため息をついている。私にも覚えがあります。在宅チャットレディを始めた1年目、待機ばかりで思うように稼げなかった月が続いて、そこに国民年金の納付書が届いたときの「これ、払える気がしない」という感覚。会社員なら給料から自動で天引きされるものが、個人でやっていると自分で払わなきゃいけない現実として突きつけられるんですよね。
結論から言うと、チャットレディでも所得が一定の基準以下なら国民年金の免除申請はできます。個人事業主だから無理とか、水商売系だから対象外とか、そういう線引きはありません。日本年金機構が見ているのはあくまで「所得の金額」であって、職業の種類ではないんです。
ただ、ここからが本題です。「所得が少ない」のラインをどう判定するのか、いくら稼いでいたら免除の対象になるのか、そこを具体的に知らないと申請していいのかどうかも分からないと思うので、順番に整理していきます。
チャットレディの「所得」は売上そのものじゃない
まずここを勘違いしている人が結構多いんですけど、免除審査で見られるのは「売上(報酬総額)」じゃなくて「所得」です。所得というのは、売上から経費を引いた後の金額のこと。
たとえば1年間の報酬(売上)が200万円あったとしても、衣装代・美容代・通信費・家賃按分などの経費が133万円あれば、所得は67万円になります。この67万円という数字が実は結構重要で、あとで出てくる「全額免除の基準額」にちょうど当たってくるんです。
つまり売上ベースで見て「200万も稼いでるから免除なんて無理でしょ」と最初から諦めてしまうのは早いということ。経費をきちんと計上して所得を正確に把握しないと、自分が免除対象かどうかすら判断できません。経費計上の具体的な線引きについては、こちらの記事で詳しく書いています。
逆に言うと、確定申告をきちんとしていない、経費もざっくりとしか把握していないという状態だと、免除申請の時にも自分の所得を証明しづらくなります。白色申告でも構わないので、日々の売上と経費はメモ程度でも残しておいた方がいいです。
免除区分ごとの所得基準、実際の数字で見てみる
国民年金の免除には「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」の4段階があります。それぞれ対象になる所得の上限が決まっていて、計算式は以下の通りです。
- 全額免除:(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
- 4分の3免除:88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
- 半額免除:128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
- 4分の1免除:168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
扶養親族がいない単身のチャットレディさんの場合、全額免除の基準は「(0+1)×35万円+32万円=67万円」になります。先ほど書いた「売上200万・経費133万」の例がここに当てはまるわけです。
正直、経費を133万も積み上げるのは在宅チャットレディだとなかなかハードルが高くて、家賃按分や機材代を丁寧に拾ってようやく届くかどうかというラインだと思います。所得がこの基準額を少し超えていても、半額免除や4分の1免除の対象になることは十分あるので、諦める前に一度計算してみる価値はあります。基準額はあくまで目安として捉えて、実際に対象になるかどうかは市区町村の窓口や年金事務所で確認するのが確実です。
審査対象になる所得は本人だけじゃなく、配偶者や世帯主の所得も見られます。実家暮らしで世帯主が親御さんの場合、親の所得が高いと自分の所得が低くても免除が通らないケースがあります。逆に一人暮らしで世帯主が自分自身なら、自分の所得だけで判定されます。この辺りは親と同居しているかどうかで結果が変わってくるので、大学生でチャットレディをしている人は特に注意した方がいいポイントです。
免除区分によって自己負担額と将来もらえる年金額が変わる
免除には段階があると書きましたが、区分によって実際に払う金額と、将来の老齢基礎年金への反映割合が違います。令和8年度の数値を参考に整理するとこうなります(制度改正で金額が変わることもあるので、実際の申請時は日本年金機構の最新情報で確認してください)。
| 免除区分 | 自己負担額(月額・令和8年度) | 年金額への反映割合(全額納付時を10とした場合) |
|---|---|---|
| 全額免除 | 0円 | 2分の1 |
| 4分の3免除 | 4,480円 | 8分の5 |
| 半額免除 | 8,960円 | 8分の6 |
| 4分の1免除 | 13,440円 | 8分の7 |
全額免除でも「もらえる年金が半分になる」だけで「ゼロになる」わけではないというのがポイントです。未納のまま放置すると受給資格期間にすら算入されないので、そこと比べたら免除を選ぶ意味はかなり大きい。ただ、将来の年金額が減るのは事実なので、余裕ができたら追納する選択肢も頭の片隅に置いておくといいと思います。追納は原則10年以内なら可能です。
申請の仕方、実際にどう動けばいいか
申請ルートは主に3つあります。
住んでいる市区町村の役所の年金窓口に直接行く方法、年金事務所に申請書を郵送または持参する方法、そしてマイナポータルから電子申請する方法です。個人的には、在宅で働いていて外に出る時間を作りづらい人ほどマイナポータルでの電子申請が楽だと感じます。スマホひとつで完結しますし、窓口の営業時間に合わせて動かなくていいので。
必要になるのは基本的に申請書(窓口でもらうか、マイナポータル上で入力)と本人確認書類。所得の証明については、確定申告をしていれば税務署側のデータと連携されるので追加の書類がいらないことが多いですが、申告していない年は所得を証明する書類の提出を求められる場合があります。確定申告をしていないと免除申請の場面でもこうやって不便が出てくるので、収入が少ない年こそ申告だけはしておいた方がいいというのが私の実感です。
申請は過去にさかのぼってもできます。納付期限から2年を経過していない期間、つまり申請時点から2年1カ月前までの分は遡って申請可能です。「あの月払ってなかったけど、今から免除にできるかな」と思ったら、諦めずに窓口や年金事務所に相談してみる価値はあります。
もし今、収入が不安定で年金どころじゃないという状態が続いているなら、免除申請と並行して稼働先そのものを見直すのも一つの手だと思います。待機時間ばかりで思うように稼げていないなら、報酬率や案件の出やすさが違う事務所に移るだけで数字が変わることもあります。
確定申告と免除の関係、節税にもつながる話
ちょっと余談ですが、国民年金保険料は全額が社会保険料控除の対象になります。確定申告の際に、その年に実際に払った国民年金の額を申告すれば、所得税・住民税の計算のもとになる所得を減らせるんです。免除を受けている期間は当然この控除額も減りますが、免除と控除はセットで理解しておくと、確定申告のときに慌てなくて済みます。
免除と納付猶予、学生納付特例の違い
似たような制度に「納付猶予」と「学生納付特例」があります。納付猶予は50歳未満の人が対象で、本人と配偶者の所得だけで判定される(世帯主の所得は見られない)のが免除との違いです。実家暮らしで世帯主である親の所得が高くて全額免除が通らない場合でも、納付猶予なら通る可能性があります。学生納付特例は在学中の学生専用の制度で、こちらも本人の所得のみで判定されます。
チャットレディをしながら学生をやっている人は学生納付特例、20代後半以降で実家暮らしをしている人は納付猶予も選択肢に入れて、どちらが通りやすいか窓口で相談してみるといいと思います。
免除は「逃げ」じゃない、放置する方がリスクが大きい
正直に言うと、免除申請をすることに少し後ろめたさを感じる人もいると思います。私も最初はそうでした。でも未納のまま放置する方が将来的にはよほど痛い選択なんですよね。未納期間は受給資格期間に一切算入されませんし、万が一の障害年金・遺族年金の受給資格にも関わってきます。免除は制度として用意されている正当な選択肢です。所得が低い年に使わない手はないと思います。
収入が不安定になりやすい働き方だからこそ、年金や税金の制度を知っているかどうかで手取りの実感が変わってきます。まずは自分の直近の確定申告書か、それに代わる収支の記録を手元に用意して、所得がいくらだったかをざっと計算してみる。そこから、お住まいの市区町村の窓口かマイナポータルで、実際に免除申請ができるかどうか聞いてみるところから始めてみてください。